タイタニック号の悲劇から学ぶ海難事故
豪華客船によるクルーズ旅行といえば、映画で話題になったタイタニック号を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?
史上最大の海難事故で多数の死者を出した悲劇が描かれた映画の影響で、船旅は沈没のリスクを懸念してしまうものです。
しかし、タイタニック号の沈没は1912年のことで、今より100年以上昔の話です。
その後は幅広い対策が行われ、レーダーや通信設備が大幅に進化したため、その後は大きな事故が激減しています。
近年のクルーズ船事故情報を踏まえて、クルーズ船の安全性と危険性を検証しました。
タイタニック号沈没事件の概要
1912年に、当時世界最大の客船で絶対に沈まないと言われていたタイタニック号が、氷山に衝突して沈没しました。
乗員2,224名に対して1,513名が亡くなった史上最大の海難事故です。
被害が拡大した要因は、氷山に衝突した際の救助要請の連絡が遅れたことと、救難ボートの数が乗員数に対して大幅に不足していたことです。
当時は世界最大の豪華客船ということもあり、船長が責任を感じて連絡が遅れてしまったのです。
また、世間から絶対に沈まない船と呼ばれていたことを理由に、過信した安全対策だったことも被害の拡大に影響したと言われています。
タイタニック号の悲劇を教訓に、その後は世界中の豪華客船で安全対策をしっかり行い、氷山に対しての危機意識の徹底や救難ボートを必要数揃える取り組みが行われています。
若い人の中には映画「タイタニック」を知らない方もいると思いますが、現在も歴代興行収入ランキングベスト3に入る不屈の名作です。
1997年公開の古い映画ですが、ストーリー性が素晴らしい作品なので、少しでも興味があればご覧になってみてください。
近年のクルーズ船事故
タイタニック号沈没事件を教訓に氷山に激突する大きな事故はその後なくなりました。
しかし、2000年以降で見ても大型クルーズ船による事故が複数発生しているのが現状です。
タイタニック号以外の主要なクルーズ船の事故をまとめました。
コスタ・コンコルディアの座礁事故(2012年1月13日)
イタリアのジリオ島付近の浅瀬で座礁。船体に大きな亀裂が入って浸水し、その後は傾いたまま走行を続けて最終的に沈没しました。
タイタニック号の沈没事故以来、最大の事故となりました。
沈没当時は乗客乗員含めて約4,300人が乗船していて、32名が死亡する重大な事故となり、世界中に激震を与えました。
タイタニック号と同様にSOSの連絡をするのが遅れたことが問題視されており、浅瀬で携帯電話の電波が入る状況だったため、乗客が最初に通報して発覚しました。
MSCクルーズの岸壁衝突事故(2019年6月2日)
イタリアのベネチアに寄港するために着岸しようとした船が、オーバースピードで岸壁に衝突。停泊していた小型船に突っ込み4名が軽傷を負いました。
死者は出ませんでしたが、初歩的な操縦ミスで起こった考えられない事故です。
ベネチアでは、1ヶ月後にも大型客船が小型クルーザーと衝突しそうになる事件が起きており、クルーズ船の受け入れを拒否することが議論されています。
事故発生率は非常に低い
クルーズ船は一部で事故が起こっていますが、海外では2000年以降に大型クルーズ船の竣工が増え、市場規模が拡大しています。
世界中で多数の大型クルーズ船が航海をしている中で、事故が起こった事例は数えるほどしかありません。
100%安全とは断言できませんが、飛行機や電車といった「安全と評される乗り物」と同等以下の事故率なので、安心してご利用ください。